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  • 2024年03月06日With Copperの光る技術

     毎度お世話になっております。With Copperです。皆様ご存じの通り弊社にはスリッター工場があります。箔の加工を通じて、弊社のスリッター加工をご紹介します。

    今回の加工は・・・

     今回のスリッター加工の材料は脱酸銅箔条(C1220RーH)、もう一つは、ステンレス箔条です。板厚銅0.06mmステン0.08mm、巾は共に100mm、重量は銅2.7kgステンレスは4.5kgです。こちらを、巾最小で15mm、最大で30mmに加工していきます。

     

     厚さ0.06~0.08mmといえば、身近なもので例えると、買い物をした後に貰えるレシート程の厚さです。このレベルの薄さになると、硬い銅も紙のようになり、手に持てるハサミで切断することもできるほどです。それなら加工は簡単なんじゃないか?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

    立ちはだかるハードル

     理由は、素材の問題、加工の問題両方にあります。

     素材の面でいうと、下手に触るとすぐに歪が発生してしまうほど繊細だからです。紙と同じようなふるまいなのに、紙よりも何百倍も重いので、自重で歪が発生しやすいのです。

     加工の面でいうと、完成品の品質、精度の問題です。

     刃のセッティングは、職人が自らの手で行います。同じ設定で操作しても、材料によってわずかにクセが違い、寸法に誤差が出てしまいます。なので、人間の手でセッティングを行う手法がとられています。大きなスリッター工場になると、刃を設定する専門の職人がいるレベルだと風のうわさで聞きました。

     

     箔条は精密機械の部品の製造等に使われることが多いため、弊社では巾公差精度はプラス目0、マイナス目0.1mmの精度で加工することになっています。巻き取り中に前述した歪も発生させてはいけません。

    このように、いくつものハードルが立ちはだかります。

    加工開始から完成まで

     刃の準備、巻き取りの準備が終わるといよいよスリッター加工始動です。

     こちらが実際の加工中の風景となります。よく見ると、切られた条が垂れ下がっています。商品をピンと張って巻き取らないことには理由があります。それは、同じ商品でも、板の場所によって厚さが微妙に違うからです。例えると、板の端と真ん中で0.005ミリ違うとかそういう感じです。板厚0.1mmの物では長さがなんと2000メートルになってくるものがあり、それを何重にも巻き取っていると、各条の巻き取りスピードの差異がとても大きなものになってしまいます。垂れていくものに関しては問題ないのですが、さらに引っ張られる状態になってしまうと、商品が傷んでしまいます。それを防ぐために、このように垂らした状態で巻き取りを行っています。

     何事も余裕があるほうがいいということですね。

     加工中、職人さんはコイルに筋やキズが入っていないかを目視により検品しています。ものによっては、一度の加工に何時間もかかるものがありますが、商品の品質を守るために必要な大切な業務です。

     こちらが完成した品になります。薄くても綺麗に加工されています。これでも伸ばしてみると、100メートルほどの長さになります。驚きの薄さです。

    最後に

     弊社では、お客様の様々なニーズにお応えしております。数多くの加工実績とその技術がございますので、ご入用の際はお気軽にお申し付けください。

     

     

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