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  • 2023年04月05日薄板(0.1mm)切れちゃいます

     

    前回のブログではスリッター加工について説明しましたが、弊社はスリッター設備以外にも様々な設備を兼ね備えています。その中でも今回はシャーリングについて書こうと思います。というのは、弊社のシャーリングは0.1mmもの薄い材料を切断することができるという大きな強みをもっているからです。この厚みの材料を切れるようになった過程をシャーリングの説明から記していこうと思います。

    シャーリングとは

    シャーリングとは、必要なサイズの切り板をせん断加工にて切断する工程のことをいいます。ハサミと同様の原理で切断するのですが、具体的には機械のバックゲージを必要なサイズ分移動し、母材を当て、上刃を落下させ下刃と挟むことで切断します。ハサミと同様というと簡単そうにみえますが、実際はバックゲージへの当て方が少しでも歪むと品物の寸法に影響がでてしまいます。

    また、上刃と下刃の隙間(クリアランス)が大きいとダレやバリが出てしまい、小さいと刃に負担がかかります。これらのバックゲージに常に正確に合わせる技術、クリアランスを材質ごとに0.01mm単位で調整する技術が職人の腕の見せどころになっています。そして弊社は職人達で協力し独自の部品などを製作し、0.1mmの厚みをシャーリングで切断することができるようになりました。

    0.1mmを切るに至った経緯

    もともと、シャーリングの刃を0.1mmまで切れるように設定してもらっていたが、切ったらベコが入るんじゃないかと避けていました。外注の0.1mm切断納期に日数がかかりだしたこともあり、悩んでいたところ至急納期で0.2mmの切断注文が入り、試したところ寸法も正しくベコも一切入らず納入できたことがきっかけで0.1mmもできるんじゃないかと思い立ったことがきっかけです。

    0.1mmへの挑戦

    0.1mmを切るにあたり、実際に0.1mmを切断されているシャーリング専門の会社様の下で弊社の職人が2~3ヶ月修行をさせていただきました。扱っている機械が少し違うため丸ごと参考にはできなかったものの、切るときの機構を真似しながら自社機に応用し、オリジナル部品も加工屋さんと相談しながら作りました。切れるようになっても、今度は切断後の機械の受け取り側では0.1mmのためヒラヒラと均一に落下しないなど様々な改良点が見つかり、全て試行錯誤しながら解決することで傷もなく寸法通りに切断することができるようになりました。

    今では毎月定期的に注文して頂くお客様も増え、その中でも多い注文をより切りやすくするための部品も一から作製するなど、今なおシャーリング技術の向上に挑み続けています。これからもお客様により満足して頂けるよう精進しますのでどうぞよろしくお願い致します。

    只今3班制でブログを担当しています。次回5月は1班が担当しますので私たち3班とは7月にお会いしましょう。

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