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  • 2024年01月06日ポットスチルと銅板の関係|銅板の特徴と用途を解説

    著作者:macrovector/出典:Freepik

     

    新年あけましておめでとうございます。2024年の年頭にあたり、心よりのご挨拶とともに、能登半島地震に被災された皆様およびそのご家族に深いお見舞いを申し上げます。皆様の安全と、被災地域の早期復興を心からお祈り申し上げます。さて、本年は辰年、龍の年です。龍は力強さと繁栄を象徴し、活気に満ちた年であるとされています。皆様も弊社と共に大いなる成長と成功を迎えることができる年になるよう願っています。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

    7月に書きましたブログでは銅による干支の飾り物も紹介してますのでぜひご覧くださいね!

    さて、今月の弊社ブログ班(3班)で話題になっている話といえばもっぱらウィスキーの話です。というのも、最近ウィスキーをつくる蒸留工程の際に使用されるポットスチルと呼ばれる蒸留釜の材料として銅板を販売させて頂くことがありがたいことに増えていまして、そこから弊社営業部の中でウィスキーについての関心が高まってきています。

    今回はポットスチルの説明を通じ、皆様にも関心を持っていただけると幸いです。

    ポットスチル

    ポットスチルは、蒸留酒を製造する際に使用される装置の一種です。蒸留酒は、アルコールを含む液体からアルコールを分離・濃縮するプロセスによって作られます。この装置は、そのプロセスを可能にするための器具であり、酒の蒸留と精製に重要な役割を果たします。

    ポットスチルは、一般的に銅製で、基本的な構造は以下のようになっています:

    1. ボイラー(蒸留釜): ボイラーは、原料(大麦など)から作られた原液を加熱し、蒸気を生成します。この蒸気にはアルコールと他の成分が含まれています。

    2. ヘッド(頭部): ボイラーから上昇した蒸気が収集される部分です。ここで最初に出てくる蒸気には、望ましくない不純物が含まれています。

    3. アーム(蒸留管): ヘッドからの蒸気はアームを通じて冷却され、液体に戻ります。この段階で、望ましくない成分(フォアショット)が切り離され、望ましい成分(ハートカット)が集められます。

    4. コンデンサー(冷却器): アームから出た蒸気は、冷却器で液体に戻ります。ここで冷やされた蒸気は液体に変わり、蒸留酒が収集されます。

     

    銅が使われる理由

    ポットスチルに銅が使われる理由は、以下にあげる銅のいくつかの利点が作用するからです。

    銅は熱伝導率が高く、加熱や冷却が迅速に行われるため、蒸留過程の効率が向上します。また、銅は不純物を吸着しやすく、特有の化学反応によって硫黄化合物などの不要な成分を除去する働きがあります。さらに、銅は蒸留酒の風味や香りにも影響を与え、より柔らかく、豊かな味わいを生み出すのに役立ちます。

    ポットスチルと銅は、蒸留酒の製造において品質向上や特有の風味を生み出すために重要な役割を果たしています。そのため、多くの蒸留酒メーカーは銅製のポットスチルを使用し、その素材や構造に注目しています。

    ポットスチルの形状と味の違い

    先ほど説明しました銅の効果ですが、ポットスチルのヘッドとアームの長さの違いによって銅の化学反応が作用する度合いが変わり、そこから味の違いも生まれます。

    1. 短いヘッド、アームの影響:

      短いヘッドやアームのポットスチルでは、蒸気が比較的短い距離を移動し、比較的早い段階で液体に戻ることができます。また、フォアショット(初めに出る不要な成分)を収集する際に効果的であり、望ましくない成分を早く切り離すことができます。これにより、ハートカット(望ましい風味が含まれる部分)を収集するタイミングが改善される可能性があります。

    2. 長いヘッド、アームの影響:

      これらが長いポットスチルでは、蒸気がより長い距離を移動し、より多くの時間をかけて液体に戻ることがあります。また、フォアショットの切り離しやハートカットの収集の際に、異なる成分の分離を可能にすることがあります。これにより、蒸留酒の風味に微妙な変化が生じる可能性があります。

    このことから一般的に、ヘッドやアームが短いと雑味が残る重ための味わいになり長いとライトな味わいになります。

    最後に

    ウィスキーの蒸留釜に用いられる銅の役割がわかりましたか?蒸留所ごとのポットスチルを調べ、比較してからそれぞれのウィスキーを飲み比べするのも楽しいかもしれませんね!
    それではまた4月にお会いしましょう!

     

     

     

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