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2022年03月15日梱包機の補強板PARTⅡ
以前に弊社スリッター部の梱包機の補強板を製作しましたとお話しさせてもらいましたが、当初から2台設置する予定でした。時間差になっちゃいましたがもう1台の梱包機がやってまいりました。というわけでもう1台分の天板補強をしなければなりません。梱包機の型も同じものを購入しました。ですので前回作った補強板の要領で変わりはないんですが、前回ではお伝え出来ませんでした補強板の製作風景がどんな感じだったかなどをお話しさせていただきます。
まずは板選び。
初代の補強板の元板はステンレス板の「BA(ビーエー)材」というのを使用しました。このBA材は鏡のように光沢を持った表面ですが、これは材料の製造過程による「光輝焼鈍(こうきしょうどん)」という工程を行い、さらに「スキンパス圧延」を施し、まるで鏡のような光沢に仕上げてあります。「BA」とは「ブライト・アニール」の略です。「ブライト=輝かしい」、「アニール=焼きなまし」、ざっくり言うと光っていて、柔らかいということです。前回はたまたまこのBA材が余っていましたので使用しましたが、天板での滑りが悪いと前回お話ししました。そして今回の元板は「2B(ツービー)材」という一般的といいましょうか、流通性の高い、ステンレス板としてはポピュラーな材質を選択しました。この2B材の表面は、よくある台所の流し台のように鏡面のようにはなっていません。この板を研磨加工して鏡面にまで仕上げた板を使用しました。今回の補強板は前回のより滑りが良いそうです。なぜ前回のピカピカは滑らないのに、今回のピカピカはそこそこ滑るのか?何が違うのかといいますと、板の硬さです。このニュアンスをわかっていただければ非常に助かるんですが、ピカピカでもフニャフニャだったら滑りが悪そうで、ピカピカのカチカチだったら滑りが良さそうな感じしません?
作業開始。
板も決まりましたので、まずは展開状態の板を準備します。あらかじめ罫書き線を引いておきましたので、「コーナーシャー」にて角を切り落とします。このコーナーシャーというのが、ええ仕事しよります。角を切り落とす専門の機械で、このように限られた仕事しか出来ないんですが、ちゃんとこのような機械が存在しているということは、それだけ必要とされる場面があるということですね。一家に一台、持っていればさぞ重宝することでしょう。
切って、曲げて…
角を2回に分けて切り落としてから「ブレーキプレス」による曲げ加工を行います。そして曲げ終わってから突き出た角を最後に切り落とし、ひとまずは完成です。ここからは最終仕上げとして「バリ取り」などをしていきます。筆者個人的意見ですが、このような工程が一番好きです。「バリ取り」って何か優しいですよね?ユーザーさんがケガなどしないように「バリ取り」をする…。本来ケガをしちゃったら自己責任だと筆者個人的意見ではそう思います。加工品実物を見て、危険な箇所はどこにあるだろうか?など想定しながら扱いに注意を払い、軍手を着用していればケガは大半防げると筆者個人的意見ではそう思います。というような突き放したような言い方は決してせず、「一応バリ取りはしておきましたよ。ケガせん程度やけど…」のように控えめでありながら優しさに満ち溢れている職人さんの気持ちが詰まっていますね。それが「バリ取り」だと思います。もちろん人それぞれの好みですので、豪快に切った、曲げた、これこそが加工の醍醐味だという方もおられると思いますが、この完成一歩前の優しい作業が何ともほっこりします。
完成。
完成しました。梱包機の型も一緒で、補強板の光沢もすごく似ているので、前回との代わり映えはあまり無いのですが、今回も大変キレイに仕上がっております。また今回も天板に「シリコンスプレー」を吹き付けているみたいなので、少々重いコイルを乗せてもトゥルントゥルンにコイルが移動してくれるそうです。エアホッケー状態になり過ぎるのも少し危ない気もしますので、作業員の方気をつけてくださいね。
何度となく当ブログでお世話になっております加工屋さんに今回も依頼いたしまして、毎度のことですがええ仕事をしはる職人さんなんです。それはもう「バリ取り」を見れば、すべてを物語っています。前回、今回ともに弊社の設備部材ですので売り物ではございませんが、通常の加工品の流れですとお客様からご依頼いただき、その内容によって弊社がどちらの加工屋さんに仕事をしてもらうかと図面を分析しながら精査します。いろんな業種の加工屋さんとお付き合いさせていただいておりますので、条件のマッチしていないお仕事の相談を持ち掛けることは失礼にあたるのではないかと筆者個人的意見ではそう思います。加工屋さんに気持ちよく仕事をして頂くにはお互いの信頼関係があってこそ成り立つものかと思います。双方に「心のバリ」が無いのがベストですね。
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